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認定理学療法士・NST専門療法士がリハビリに関する内容を書くブログ

睡眠負債。。食事から変えていこう~睡眠負債の悪影響と効果的な食事~

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睡眠負債は悪影響の塊。食生活から見直していきましょう

最近は家にいる時間も長くなり日常生活が不規則になることも少なくないでしょう。なかでも夜遅くまで起きて昼まで寝る生活など、睡眠サイクルが崩れて夜型の生活を送る若い世代がこの数ヶ月で増加しているみたいです。

家から出ないからアニメとかゲームをし過ぎちゃうんだよね~。ついつい遅くまで起きちゃって

確かに、旅行や飲み会などが自粛している昨今、このようになってしまうのも致し方無いのかもしれませんが、睡眠不足を溜めてしまうと(睡眠負債)日常生活には悪影響ばかりです。

今回は知っていそうで意外と知らない睡眠負債が与える悪影響と改善方法についてご紹介したいと思います。

目次

①睡眠負債が与える影響

②睡眠負債を改善する食事

睡眠負債が与える影響

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日本人は昔から几帳面で頑張り屋さんが多く、世界と比較しても労働時間が長いようです。加えて睡眠時間も世界で見ると2番目に睡眠時間が短く、慢性的な睡眠不足を抱えている割合は世界的に見ても高いんですね。

ちなみに日本の成人で5人に1人睡眠障害に悩まされているという研究もあるみたいです。

現在では社会的問題にも取り上げられている睡眠負債ですが、その理由に睡眠負債がもたらす悪影響が挙げられています。

・肥満

知らない人からしたら意外ではないでしょうか・・・。

睡眠が不足していると食欲を抑えるホルモン(レプチン)の分泌が低下・増加させるホルモン(グレリン)が増加します。結果、お腹が減ってなくても何か食べたくなる現象が起きてしまい過剰なカロリーを摂取してう原因になるんです。皆さんもこのような経験ありませんか?

また、睡眠不足は血糖値をコントロールするインスリンの作用を低下させるので、血糖値が不安定→脂肪が蓄積しやすい可能性もあるので睡眠不足を確保することはダイエットにも繋がると思います。

・脳機能低下

睡眠不足は脳の活動を低下させます。 睡眠不足なときな妙にイライラしませんか?

それは感情の表出にブレーキをかける前頭葉の機能が睡眠不足で低下するからなんです。また、ストレスホルモンも脳に分泌されやすく、普段は気にならないことも敏感になってしまうんです。

また、MRIという脳画像を用いた調査では、危険認知を担う視床と注意・集中力を調整頭頂皮質、実行機能を司る前頭皮質によって構成される注意のネットワークが睡眠不足で低下するようです。

以上の点からも睡眠不足は注意や記憶の低下を及ぼし認知症の発生リスクを高める可能性もあるので、認知症予防にも睡眠はしっかりとりたいところです。

・経済の悪影響

 睡眠不足は経済にも悪影響を及ぼすことは意外と知られていません。

ちなみに睡眠負債による経済的損失はどれくらいだと思う?

うーん。。質問するくらいだから1000億円くらいかな

残念、、正解は年間15兆円。。想像をこえる損失だね。

要因としては上記にあげた脳機能や集中力低下による生産性の低下、肥満や認知症割合の増加による医療費や介護費などの支出の増加などが挙げられ、医療や介護・サービス業界の損失が多いようです。15兆円は社会保障費の約半分を占めるほどの割合なので睡眠負債の改善は、国の歳出軽減に直接つながるといえるでしょう。

睡眠負債を改善する食生活

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先ほど紹介した内容から現在では睡眠負債を改善するような取り組みが増えてきています。睡眠時間の確保はもちろん、適度な運動やリラクセーションなどに加えて食生活から睡眠負債を改善させる方法もあるんです。特に、私がおススメするのはタンパク質(グリシントリプトファン・テアニン)とポリフェノール(カロテノイド)という成分です。

グリシン

 甲殻類や肉類に多く含まれているグリシングリシンは深部体温を低下させ睡眠を導入する効果が数多く報告されています。最近ではグリシン単体で販売する健康食品も増えてきたので、お金に余裕がある方はサプリメントを飲まれてもいいかもしれませんね。

トリプトファン

 大豆食品や乳製品に多く含まれており、代謝される過程でメラトニンへ合成されます。メラトニンサーガディアンリズムを調整する脳の松果体(しょうかたい)の働きを改善する作用があり、夜になると自然と眠くなるような体のリズムを作りやすく補助してくれる栄養素になるかもしれません。

・テアニン

 緑茶や抹茶など、濃い緑な茶葉に多く含まれているのがテアニン。テアニンは副交感神経を高め、身体をリラックスさせる働きがあります。ただし、緑茶にはカフェインも含まれていますので、就寝前には摂取しない方が良いでしょう。睡眠の5-6時間前までに摂取するのがおススメです。

・カロテノイド

サフラナールやクロセチンなどのカロテノイド類はノンレム睡眠(熟睡状態)の比率を増加させる可能性があります。また、抗ストレス・不安作用による安眠効果も注目されており、カロテノイド類を含む食品の研究がさらに進む可能性がありますね。

カロテノイドは野菜、特に色の濃いもの(トマト・人参・ほうれん草)に多く含まれています。

 

 (注意点)

ただし!!上記にあげたこれらの食品はあくまで良質な睡眠を補助するものであり、睡眠時間を確保するストレスを溜めないなど主原因の改善をおろそかにしては効果が乏しくなります。まずは自分の生活習慣の見直しから始めることが重要ですね。