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サルコペニアを治す?ロイシンの効果と食品

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ロイシンはサルコペニアの救世主?

皆さん、、ロイシンって知っていますか?

ロイシンは分岐鎖アミノ酸(BCAA=Branched Chain Amino Acid)のひとつで世間的にはバリン・ロイシン・イソロイシンの3つからなるアミノ酸になります。

アスリートやボディビルなどの選手においてBCAAの摂取が筋力・骨格筋量をアップさせる報告が多数あり、なかでもロイシンに秀でた効果があると言われているんです。

それだけでなく、最近ではリハビリ×栄養の介入が注目され、ロイシンにサルコペニアを改善させる効果があるという報告もあるんです。世界の高齢化に伴い問題視されているサルコペニアを改善させる効果が本当にあるのか考えていきたいと思います。

目次

①ロイシンが筋肥大にもたらす効果

②ロイシンとサルコぺニア

③ロイシンが多い食品

④ロイシンの摂取目安と副作用

⑤まとめ

①ロイシンが筋肥大にもたらす効果

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 ロイシンが筋肥大に与える効果は①筋タンパク合成促進②筋タンパク分解抑制といわれています。①に関してはmTORキナーゼ経路やインスリン成長因子(IGF-1)の活性化、 ②はユビキチン・プロテアソーム経路の抑制関連しています。また、高齢者はインスリン感受性が低下やすいですが、ロイシンを含めたBCAA摂取でインスリン感受性が改善し筋肥大効果を認めることもあるそうです。

②ロイシンがサルコペニアに与える効果

 サルコペニアは65歳以上で20%、80歳以上で50%以上の人に該当するといわれており、転倒や骨折、死亡率などにも影響を与えるといわれているんです。

80歳は半数以上もサルコペニアになるんだ~!これには何か理由があるのかしら?

理由は数多くありますが、中でもタンパク質の摂取量が足りないことが問題視されているんです。実際、世界の高齢者60%の人はタンパク質の推奨摂取量を満たしておらず、特に女性では90%もタンパクの摂取量が足りていないんです(タンパク摂取推奨量0.8g以上/㎏/day)。そこで注目されたのが必須アミノ酸であるロイシンなんです。

Bauerらは、サルコペニア対象者にロイシン6gを13週間摂取させることで筋肉量が有意に増加したと報告しています。また、サルコペニアに対するロイシン摂取の効果をみたシステマティックレビューでもロイシンが骨格筋量を改善させる効果があると最近の研究で判明しています。ただし、これはビタミンDを併用することを条件にしていましたのでロイシン単独でサルコペニアを改善させるのかはグレーなところだと思いますが、タンパク摂取が絶対的に足りていない人に関してはロイシンを摂取する意義があると思います。

③ロイシンが多い食品

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ロイシンって筋肉量を改善させる効果があるんだね。でも何を食べればいいのかわからん

そんな方へロイシンの多い食品を紹介しますね。私の好みもありますが、、

①赤身の牛肉・鶏肉・かつお・鮭などの生鮮食品、②納豆・きな粉などの大豆食品

これらがロイシンを豊富に含んだ食品たちです。特にかつお・鮭は先ほど述べたビタミンDも多く含んでいるので筋肥大効果をより高めてくれる効果があります。また、納豆などの大豆食品には骨のもとになるカルシウムの吸収率を高めるといわれるビタミンKが多く含まれているので高齢者の方にはより食べてほしい食品ですね(ワーファリンなど血液をサラサラにする薬を飲んでいる人は注意ですが)。

もちろん、ほかの食品にもロイシンは含まれていますので興味がある方はまたの機会に紹介しますね。

④ロイシンの摂取目安と副作用

摂取目安は6g/日程度がいいと思います。これは1回2g以上の摂取で2-3時間筋肥大効果が高まるといわれています。これを1日3回摂取すればだいたい6g程度になるのでムキムキマッチョになりたいと思う人以外はこの基準で十分だと思います。

ちなみに、ロイシンを過剰摂取することによる副作用ですが、過剰に摂取しても他の病気になる危険性は少ないみたいです。

なーんだ。なら気にしなくていんだね。

でも油断しないこと。前述しましたがBCAAには血糖値を下げる効果がありますので糖尿病や手術前などで血糖のコントロールを行っている方は注意が必要です。

また、タンパク質の分解は腎臓に負担をかけますので重度腎不全の方などは過剰摂取を控えたほうが良いと思います。

⑤まとめ

・ロイシンには筋合成促進・筋分解抑制による筋肥大効果がある

・ロイシンはサルコペニアを改善させる可能性がある(ビタミンDとの併用)

・ロイシンは1回2g以上、1日6g以上を目安に摂取すると効果が高まる

・血糖や腎機能など内部疾患がある人は過剰摂取を控える

 

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